羽田空港ラウンジを管理する新生ビルテクノ株式会社、学生アルバイトとの団体交渉を拒否――新生ビルテクノは労働組合法違反をやめろ

 羽田空港新国際ラウンジを管理する新生ビルテクノ株式会社(資本金2億1600万円。従業員数3259人。以下「新生ビルテクノ」)は、首都圏学生ユニオンからの団体交渉(会社と労働組合との話し合い)を拒否するという労働組合法違反を続けています。学生ユニオンは、新生ビルテクノが団体交渉に応じるよう求めるとともに、新生ビルテクノに業務を委託しているANAグループに対しても、新生ビルテクノの労働組合法違反について指導するよう求めます。

◆羽田空港新国際ラウンジを管理する新生ビルテクノ株式会社による団体交渉拒否
 羽田空港新国際ラウンジを管理する新生ビルテクノは、2020年4月11日以降空港ラウンジで働く労働者を大規模に休業させていますが、休業手当を一切支払っていません。そこでアルバイトとして働いていたAさんは、首都圏学生ユニオンに加入のうえ、新生ビルテクノに休業手当の支払いを求めて団体交渉を申し入れました。その後1度団体交渉が開催されたものの、新生ビルテクノは「休業手当支払い義務はない」、雇用調整助成金を活用したとしても「当社の自己負担による「休業補償」の金額・規模が、当社の財務状況に甚大な影響を与える恐れも否定でき」ないなどとして休業手当の支払いを一切拒否しました。
 その後学生ユニオンは、改めて、休業手当の支払いや財務状況の開示などを求めて団体交渉を申し入れました。すると新生ビルテクノは、「当社としては誠実交渉義務をすでに尽くしたものと考えており」「貴組合からの「第2回の団体交渉」の申し入れに応じることはできません」として、団体交渉開催要求を拒否しました。
 憲法第28条では、労働組合が会社と団体交渉を行う権利、「団体交渉権」が保障されています。この団体交渉権の具体化として、労働組合法では、使用者に労働組合との「誠実交渉義務」を課しています。つまり使用者は、労働組合との団体交渉に誠実に対応する義務があり、原則として団体交渉開催要求を拒否することはできません。したがって新生ビルテクノの団体交渉拒否は、労働組合法に違反していることになります。
 新生ビルテクノと学生ユニオンとの間では休業手当支払い義務についての認識に相違があることに加え、新生ビルテクノは財務状況を理由に休業手当支払いを拒否しています。こうした状況で財務状況の開示要求などを含めて更なる団体交渉の開催を求めることは、労働組合としては当然であり、なんら特異なことではありません。新生ビルテクノは、労働組合法違反をやめ、直ちに団体交渉に応じるよう求めます。

◆ANAグループも無関係ではない
 新生ビルテクノは、空港を管理しているANAグループ企業の1つ、ANAスカイビルサービス株式会社からラウンジ管理を委託されて業務を行っています。したがってANAグループも今回の新生ビルテクノによる労働組合法違反について無関係ではありません。新生ビルテクノの違法行為に見て見ぬふりをしながら委託を続けることは、新生ビルテクノの違法行為を温存することになるためです。ANAグループは、ホームページで、「社会的価値と経済的価値を同時に創出すること」を目指すとしたうえで、グループ内企業のみならず、委託先などを含めたサプライチェーン全体で環境や社会に配慮した経営を目指すことが重要だとしています。この「社会的価値」には当然労働者の権利擁護も含まれるはずです。ANAグループが、企業の社会的責任として、委託先企業である新生ビルテクノの労働組合法違反を見過ごさず、団体交渉に応じるよう指導することを求めます。


この記事へのコメント